アメリカ4月CPIで市場関係者「7月利下げは消えたようだ」

市場予想下回るがなお様子見必要か
(写真:ブルームバーグ)

4月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びにとどまった。これで3カ月連続で予想より低い伸びとなった。衣料品や新車の価格が落ち着き、企業が関税引き上げ分のコスト転嫁を今のところは急いでいないことを示唆した。

米CPI、3カ月連続で予想下回る伸び-輸入品が多い分野は上昇 (1)

CPI統計の発表を受けて、市場関係者は以下の通りコメントした。

◎キー・プライベート・バンクのラジーブ・シャーマ氏

今回のインフレ統計発表後も、利下げ再開が早くて9月という見方は維持される。7月利下げの選択肢は今のところ消えたようだ。

◎トレードステーションのデービッド・ラッセル氏

関税が発表される前からインフレは減速傾向にあり、インフレ鈍化による経済への追い風が続いている。これは物価に著しい上昇圧力がかかる前に対処する余地がなお残されていることを示しており、早期の貿易合意を実現する必要性を高めている。米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重な姿勢を崩していないが、今回の統計は今夏の利下げ実施に向けて一歩踏み出すきっかけとなり得るものだ

◎BMOキャピタル・マーケッツのベイル・ハートマン氏

今回のデータは、少なくとも貿易戦争前の時点ではコアインフレが低下傾向にあったという見方を補強する。向こう数カ月、あるいは数四半期に関税の価格転嫁によって物価が上昇するのは避けられないが、それを吸収する出発点としては好ましい

◎バンクレートのスティーブン・ケイツ氏

今回の統計は、関税発表後初の月次データである点で重要だ。ただ、2025年を通じて企業がコスト増にどう対応していくかを正確に反映しているとは言い難い。関税前に仕入れた在庫が今後数カ月で減少する中で、企業は利幅を削るか、コストを消費者に転嫁するかの判断を迫られるだろう

今回の統計で米連邦準備制度理事会(FRB)の責任が軽減されるわけでもない。ある意味、こうした曖昧な内容は明確なインフレ上昇の兆候よりも厄介だ。不確実性の連鎖が続く中、ハードデータは依然として矛盾するシグナルを送り続けている。企業、消費者、政策決定者は、痛みがいつ、あるいは本当に現れるのか気をもみながら、不透明な状況に置かれている

◎LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏

世界貿易の改善は、今後のインフレ動向に一定の明瞭さをもたらすだろう。だが一時的な貿易合意の後に何が起こるかを巡っては不確実性が残っており、スタグフレーションのリスクが続いていることから米連邦公開市場委員会(FOMC)としては判断が難しい状況だ。不透明感が晴れない場合、FOMCは6月に政策調整に踏み切れない可能性がある

◎モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのエレン・ゼントナー氏

CPIが市場予想を下回る伸びだったというのは、関税が経済に影響を与えていないという意味ではなく、まだデータに表れていないというだけのことだ。なお様子見が基本姿勢であり、それが変わらない限り、FOMCは静観を続けるだろう

著者:Rita Nazareth

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