足元のマーケットで起きている事象や注目テーマについて、過去の歴史をもとに株式投資のヒントを探る連載「賢者は歴史に学ぶ」。14回目の今回は、かつて橋本龍太郎内閣がデフレ突入という失敗を犯した経過を振り返る。その教訓をしっかりと学べば、岸田文雄首相がとるべき経済政策がおのずと明らかになる。
「戦略なき増税構想」で自分の足を引っ張る岸田内閣
昨年の夏以降、安倍晋三元首相の国葬、旧統一教会問題、相次ぐ閣僚の辞任などで岸田内閣の支持率は急速に低下していたが、ここへきて経済政策の面でも迷走が目立っている。
岸田首相は昨年12月に編成した2023年度予算案では、一般会計総額を過去最大の114兆円と大盤振る舞いした一方で、防衛費増額の財源として2024年度以降に法人税を中心に増税を実施する方針を打ち出した。首相は「増税実施の前には衆議院解散・総選挙の可能性がある」と発言し波紋を呼んだが、それは「増税」への意思が強いことを示している。
増税の候補としては法人税が挙がっている。しかし、岸田首相は重点政策として賃上げや人的投資の拡大を掲げて企業に協力を要請し、産業界では賃上げの機運が例年になく高まっている。法人税増税の動きはこれに水を差すようなものだ。
また、1月4日の年頭記者会見では「異次元の少子化対策に挑戦する」と発言した。これを受けて株式市場では子育て関連銘柄や結婚支援関連銘柄が大幅に買われ、少子化対策ムードが高まった。